合同会社織田・アンド・アソシエイツは、海上貨物クレームに対するディフェンス専門のコンサルティングとアウトソーシングを行っております。

About 事業概要

カーゴ・クレームを受ける運送人の皆様が、顧客の信用を損なうことなく、ご自身の損失を最小化できるようにサポートすることが弊社のサービスです。
その目的のために、貨物損害に対する運送人の責任の有無、または軽重について分析し解説します。
また、必要とされる意見書や答弁書の作成もお手伝いします。まずは、弊社へご連絡下さい。

2013年6月13日に商船三井の運行する大型コンテナ船MOL CONFORT号(2008年竣工、パナマ船籍、8万6千総トン、全長316M, 最大積載量 20F コンテナ8,110個) がインド洋で破断して前部、後部に分離して漂流し、曳航の努力もむなしく両方とも数日後に沈没してしまいました。
この船が三菱重工製で、同型船6隻稼働中であったため海運界に激震が走りました。
実はこの船は、私の勤務していた会社が以前傭船して、別の船名で約4年間運行していたので、人ごととは思えませんでした。
このよう巨大新鋭船の重大事故はレアケースですが、荒天遭遇時にデッキ上のコンテナが大波で破壊されたり、海中に転落する事故はしばしばあります。
自然が相手の海の上では、想像を超えた危険があり、船も貨物も常にリスクにさらされていることを船社のみならず、NVOや荷主の皆様にも認識して頂きたいと思います。

何らかの事故や故障で航行不能になった船を陸地まで曳航して、貨物を回収出来たとしても、 次に来るのは船社による共同海損 (General Average、略してGA) 宣言です。
GA宣言が出ると、荷主は救われた自分の貨物の価値に応じて、救助費用や救助を成功させるために犠牲にされた一部の貨物等の損失の分担を求められ、 GA盟約書にサインして、供託金を積むか、貨物保険会社の保証状を船社に差し入れないと、目的地で貨物を引き渡してもらえません。
しかし、このような船社主導の伝統的な一方的プロセスに納得できない荷主さんも少なからずいらっしゃるようです。
そんな方はGAの根拠法であるヨーク・アントワープ規則をよく読むと、別の選択が見えてくる場合があります。
興味のある方は当事務所へお問い合わせ下さい。

今日、ポスト・ハーベスト技術の飛躍的進歩により、地球の反対側から果物を船で日本まで運べるようになりました。
その間果物は、空気中の酸素と二酸化炭素濃度を調整され、微妙に温度管理されたコンテナの中で熟成せずに眠っています。
このような高度の技術(例えばControlled Atmosphere 略してCA)と十分な注意を必要とするリスキーな輸送も日常的に行われています

他方、現在主流となっているPusan 積み替えの西日本・日本海諸港向けの貨物には、水濡れ事故が多発しています。
それらのコンテナを調べると、屋根の角に穴が開いています。これは、積み替え港の荷役技術の拙劣さによるものです。

国際輸送のクレームは苦情ではなく、権利に基づく金銭的な損害賠償請求です。
従って、これを処理する仕事を顧客満足度アップのサービスと混同してはいけません。
クレーム処理の結果は、求める側と断る側の調査能力と専門知識の有無に左右されます。
当事務所は、クレームの予防と実際のクレーム対処に資するため、皆様の海上輸送上のトラブル、関連法規や技術的な疑問にお答えします。
もちろん荷主様のご相談も承ります。

「外航船利用運送事業」に携わるフォワーダーの皆様、若しくはNVOCCを開業準 備中の方で、貨物利用運送事業法による国交省への登録(変更を含む)、 又は許可 (変更を含む)の申請をお考えの方は、このページの上部にある「行政書士 織田国際法務事務所 」をクリックして下さい。

Consulting コンサルティング内容

お客様のニーズに合わせて計画致します。主要と思われる事項を列記しました。

  • 本船の延着によって発生する諸問題
  • 荷受人から送られて来る損害通知(Notice of Claim )の効果
  • 船社側サーベイの実施と損失の査定
  • 本船の荒天遭遇
  • ヘーグ・ヴィスビー規則(The Hague Visby Rules)と運送人の免責事由
  • ヘーグ・ヴィスビー規則を超えて運送人に有利なBL条項の有効性
  • 船舶の堪航能力(Seaworthiness)と運送人の注意義務(Due Diligence)
  • 運送人の不法行為と契約義務違反
  • 貨物の隠れた欠陥(Inherent Vice)と荷送人の過失
  • 貨物の適切な積み付け
  • 賠償責任限度
  • 1梱包当たりの責任限度(Package Limitation)
  • 出訴期限と延長の合意(Time Extension)
  • 冷凍・冷蔵貨物の管理記録の開示、非開示
  • 生鮮食品輸送
  • ターミナル内での事故
  • 損害賠償請求者の立証と運送人に許される反証
  • 共同海損(General Average)
  • BLの準拠法と裁判管轄地(Governing Law and Jurisdiction)
  • 訴訟を提起されたら
  • P&I保険の機能

Fee 料金表

海上貨物クレームのコンサルティングに関して、料金の目安は以下のとおりです。

包括コンサルティング契約 1か月:3万円より
クレームに関するご相談全般(下記のアイテムを含みます。)
  • ルール解説
  • FAX、EMAIL、電話によるワンポイント・アドバイス
  • 定型的な書類の作成
  • 個別クレームの相談
  • 書類閲覧やミーティング等の必要により、小職が貴社を訪問させて頂くこともあります。
個別FAX、EMAILによるワンポイント・アドバイス 1回:1千円~5千円
個別クレームの相談 クレーム1件:1万円若しくはクレーム金額の2%のどちらか大きい方
書類作成(非定型的な書類、専門性の高い案件) A41枚 1万円より(事前にお見積もりします。)
荷主様からのご相談 1件5千円より、又は1ヶ月2万円より(件数制限なし。)

補足
運送人様からのご相談と、荷主様からのご相談が利益相反の関係になる場合は、 常に先着の案件をお引き受けし、後からのご依頼の方を辞退させて頂きます。
またお客様から開示された情報は永久に秘匿し、第三者に漏洩することがないように致します。

Massage 挨拶

  • 織田 成次
  • 海上貨物クレームに対するディフェンス専門のコンサルティングとアウトソーシングのご案内です。
    カーゴ・クレームを受ける運送人の皆様が顧客の信用を損なうことなく、 ご自身の損失を最小化できるようにサポートすることが弊社のサービスの目的です。

    海上輸送のクレームの分野に於きまして、皆様の顧客の側には害保険会社や、海事専門の弁護士が多数おられ、 業界的なサポート体制がある程度確立されているのに、クレームを受ける運送会社の側には殆ど支援や知識を仕入れる場がないのが実情です。

    近年は船の大型化や、冷凍・冷蔵コンテナの性能が飛躍的に向上した結果として、 本船の荒天遭遇による事故や冷凍食品の解凍などの事案が減少してゆく傾向にある一方で、 CA, RA等の技術の進歩によって、昔は運べなかったハイリスクの生鮮食品の長距離、 長時間の輸送が可能となったことにより、新たなタイプのクレームが出現しております。
    現在のクレーム担当者は、そのような新たなリスクに対応できる知識も必要になっています。

    弊社では、皆様のご依頼を受けて、クレーム処理を法規と技術の両面から解説し、 必要に応じて個別ケースの分析と具体的な和解案策定のお手伝いをせて頂く所存でございます。
    またクレイマントとの交渉過程で必要になる英文での意見書や答弁書(草案)の作成もお引き受けします。
    厳しい経営環境の中でクレームに十分な人手を確保しにくいときや、 運送会社の視点から若手社員の方へ法規やクレーム処理の教育をする必要を感じておられるときも是非声をかけて下さい。
    お役に立てると存じます。お客様の秘密を厳守することは申すまでもありません。(守秘義務協定も締結できます。)

    代理店契約書やCYその他港湾作業の契約書を英文での作成もご用命ください。

    外国人社員・駐在員様のVISA等の手続きは、併設の行政書士事務所でお引き受けしますのでまずはご一報下さい。

    合同会社織田・アンド・アソシエイツ
    代表 織田 成次
    (元APLクレームス・マネージャー)

Career 代表経歴

昭和24年 東京生まれ
昭和47年 慶應義塾大学法学部法律学科卒業
昭和51年 米国ベクテル(Bechtel) 日本支社入社調達部に所属
昭和62年 アメリカン・プレジデント・ラインズ社入社
クレーム・マネジャー、アドミニストレーション・マネジャーを歴任
平成14年 行政書士試験合格
平成21年 アメリカン・プレジデント・ラインズ社で定年を迎えた
平成21年 行政書士登録
平成21年~24年 アメリカン・プレジデント・ラインズ クレーム・アジャスター契約受任 (8月末日で契約満了)

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